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ブログ
- クリスタルガラスを楽しむ
- 2014.09.19
ふくろう、桜、紫陽花。宵のくちのグラヴィール。
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銅の円盤を多様に組み合わせて、ガラスに絵画を描く、グラヴィール技法。じっくり、じっくりとガラスを彫り込んでいく作業によって、複雑な表情を作り出します。
グラヴィール技法は、実際にガラスが削れている部分を見ることが出来ません。ゆえに長年の経験と感覚が必要で、一朝一夕で習得できるものではありません。
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カガミクリスタルには松浦松夫というグラヴィール作家がおります。
この道49年の大ベテラン。使いこまれた道具たちが、その道のりの長さを物語っています。
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氏が自らデザインし、グラヴィールを施した「宵のくち」シリーズの冷酒杯。
同じように見えるデザインですが、ふくろうの表情や身体つき、枝ぶりなども少しずつ違っています。
手作りならではのあたたかな表現が、ふくろうの一羽一羽に生命を与えます。
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グラスの底には氏の「松」というサイン。
ここにもグラヴィールならではの表現を生かしていて、とてもかわいらしいです。
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「宵のくち」シリーズのタンブラー。
グラス本体も少し変った表情をつけています。これはサンドブラスト技法といって、ガラス表面に砂を吹き付けることで、色を削りとっています。
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この冷酒杯は一見、下の方にカットが入っているだけのように見えますが…
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底にちょこんとふくろうが留まっております。
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氏の机にはデザイン画がありました。このシリーズは1997年から、実に17年もの間作り続けているのです。
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こちらは紫陽花の冷酒杯です。
しとしとと雨のふる時期でも、ゆったりとお酒を楽しむことができそうです。
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赤いグラスにはかわいらしい桜を彫り込んでいます。
ふっくらとした花弁と舞う花びらを手に持ち眺めながら、目にも口にも美味しいお酒をお楽しみください。
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こちらは同じデザインのロックグラスです。
桜ひとつの中に、色々な表情があります。これは銅の円盤でガラスを彫り込んだ後、コルクを使い部分的に磨くことで奥行きのある表現をしています。
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今回ご紹介したグラスは、本社ショップと銀座ショップでのみ販売しております。
実際に手にとって見ていただくと、より一層グラヴィールの魅力を感じていただけることと思います。
グラヴィール技法の制作工程動画はこちらです。再生画質をHDにしていただくと、細かな表現をお楽しみいただけます。